熱量から求める必要排気量とフード断面積から求める必要排気量
熱量から求める必要排気量とフード断面積から求める必要排気量の差がどのくらいになるかを検証してみました
注:本記事内の図は三菱電機 換気送風機総合カタログ2021年度 技術編P751より抜粋させて頂いております
熱量から求める必要排気量
熱量から求める排気量として「理論廃ガス量により求める方法」が建築基準法によって定められています
理論廃ガス量から求める方法
理論廃ガス量による計算式は
V=NKQ
です
V: 必要排気量(m3/h)
N: 定数(レンジフードの形状により定められた数値)
K: 理論廃ガス量(m3/kg) 定数で0.93
Q: 発熱量(kW)
定数Nは 20 30 40 とフードの形状・断面形状と開口部寸法等によって決まります
定数Nの決定条件
N=20
N=20となる条件は
三菱電機 換気送風機総合カタログ2021年度 技術編P751
-
火源からフードの離隔距離が1000mm以下
火源からフードの端が離隔距離の1/2以上
フードの立ち上がり部分が50mm以上
フードの傾斜角度が10度以上
フードの材質が不燃材料
上記の条件を満たした場合に定数Nが20となります
フード天板の傾斜角度は普通は0(四角で作る)なので係数が20になることはないと考えるのが妥当だと思います
N=30
N=30となる条件は
三菱電機 換気送風機総合カタログ2021年度 技術編P751
-
火源等を覆うことができ、廃ガスを一様に補修できる形状
火源からフードの離隔距離が1000mm以下
上記の条件を満たした場合に定数Nが30となります
極論N=30と覚えるといいと思います
N=40
N=40となる条件は
三菱電機 換気送風機総合カタログ2021年度 技術編P751
-
排気フードがない場合
フード断面積から求める必要排気量
フード断面積から求める方法
フード断面積から求める計算式は
V=AS×3600(秒)
V:必要排気量(m3/h)
A:フード開口面積(m2)フード開口幅×フード開口奥行
S:開口部の風速 0.3~0.5 m/s
1時間当たりの必要排気量を求めるので3600秒(1時間)を掛けます
ちなみに私は
炭の排熱量と必要排気量 面風速の大切さで書いているように
0.4m/sから0.5m/sで考えています
検証
マルゼン製 RGT-0963D
上記のガスレンジを設置し
N=30となるフードを設置した場合について検証してみます
ガスレンジのサイズから
フードの最小サイズはW1100×D700と考えていいと思います
理論排ガス量から求める必要排気量は876m3/h
計算式は
V=NKQ
=30×0.93×31.4kw
=876m3/h
フード断面積から求める必要排気量は1108.8m3/h
計算式は
V=AS×3600
=1.1×0.7×0.4×3600
=1108.8m3/h
フード面積の方が約1.3倍多くなる
それぞれの計算式から
フード面積から求めた必要排気量は約1.3倍となります
これは少ない方で
場合によっては2倍以上になることもあります
面風速が0.3m/sに近づく
またはそれを下回った場合
人がちょっと動いた程度でも煙などを捕集できなくなってしまいます
建築基準法上の必要排気量を満たしていても
フードで煙などを捕集できる適切な風速を確保できないということです
つまり
建築基準法で定める必要排気量を上回る設備を導入しなければいけなくなるということです
対策
どうすれば
火源を覆い、排ガスを一様に捕集できる形状でありながらフード開口部の面積を減らすことができるのか?
近日
厨房工事があるので
そこでテストをさせてもらいます
その結果を追って追記させて頂きます
ヒントはこれ
フードの中に板を取り付けて
開口面積を減らす
です
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