見積書の内訳にある諸経費とは
見積書の内訳を確認する際、「諸経費」という項目を目にすることがあります。しかし、この諸経費が具体的に何を指しているのか、どのような費用が含まれているのかが分からず、疑問に思われる方は多いのではないでしょうか。
このページでは、見積書に記載される諸経費の意味や内訳、項目ごとの詳細について分かりやすく解説します。見積書を正確に理解するための参考にしてください。
会社運営・現場運営のための費用
見積書に記載される諸経費とは、大きなくくりで言うと会社運営・現場運営のための費用を指します。プロジェクトを遂行するために必要な間接費用であり、直接的な材料費や工事費とは異なります。
見積書の諸経費内訳に含まれる主な項目は以下の通りです:
- 人件費(事務スタッフや管理職の給与)
- 通信・交通費(現場への移動費、連絡費用)
- 保険料(作業員保険、賠償保険等)
- 事務所費用(家賃、光熱費、賃借料)
- 租税公課(税金、公的負担)
これらは会社全体の運営や現場での作業を支えるために必要な費用として、見積書の諸経費内訳に計上されます。
諸経費の目安
見積書に記載される諸経費の金額は、工事費の10%前後を計上する会社が一般的です。ただし、会社の規模によって異なります。
会社規模による諸経費の割合
小規模な企業では工事費の10%程度ですが、大きな会社になるほど会社の維持費が増加するため、諸経費のパーセンテージも上がる傾向があります。大企業では30%前後の諸経費を計上することもあります。
当社の諸経費算出方法
弊社ではみなし法人の時代からの7年間(2021年3月時点)の総売り上げ額に占める比率で、諸経費の各項目のパーセンテージを算出しています。この比率は毎期決算が終わるごとに見直しをしており、実績に基づいた適切な内訳を保つようにしています。
諸経費の内訳
見積書に記載される諸経費は、工事を実施するために必要な各種経費をまとめたものです。工事規模によって記載方法が異なり、少額工事では『諸経費 1式〇〇円』と1行で表記しますが、高額工事では細かく内訳を記載することで、見積内容の透明性を高めています。
諸経費の大分類:現場経費と一般管理費
諸経費は「現場経費」と「一般管理費」の2つに大別されます。各現場の特徴に応じて、これらの比率を調整して計上しています。
現場経費とは
工事現場の運営に必要な経費のことです。以下の項目で構成されます。
労務管理費
現場で働く人員の管理にかかる費用です。例えば、工事現場での安全管理に必要な腕章の購入や工事広告の作成など、間接的に現場運営に必要となる費用が当てはまります。
保険料
工事を行う際にかける保険料です。工事保険と労災保険が主な保険となります。弊社では現場単位ではなく年間契約にて加入しています。
交通費
事務所から現場までの交通費、現地での駐車場代、公共機関の乗車賃、また車の維持費(車検代やガソリン代)を含みます。
現場までの距離が遠い場合や駐車場代が高い場合は交通費を増額します。例えば東京都の銀座や青山など駐車場代が1日8,000円を超えることもあり、複数台の車を使用する場合はさらに費用が増加します。
機材損料
自社で所有している建設機械などの償却費、管理費、メンテナンス費を指します。
事務費
現場での資料作成費や必要な文具代などです。
福利厚生費
現場で働く職人などのための福利費です。飲料やお茶菓子などの提供が主なものとなります。
一般管理費
会社運営に必要な維持管理費のことです。以下の項目で構成されます。
労務費
現場に従事する従業員の給料です。弊社では従業員自身が現場作業を行うため、この比率は相対的に低く、給料の約8割程度は工事内訳の作業費として計上されています。
広告宣伝費
会社の広告・宣伝費用です。弊社の場合はホームページの維持費が大半を占め、現在は微々たる金額のため計上しないこともあります。大企業ではテレビコマーシャルや新聞広告などが計上されます。
事務所費用
事務所の維持管理費です。地代・家賃、光熱費、通信費、消耗品費などが計上されます。
租税公課
「租税」と「公課」を合わせたものです。
租税は国や地方公共団体に納める税金を指します。弊社では税引き前利益が約7%となるように工事費を積算しており、純利のうち約20%が税金となるため、工事費全体に対して約1.4%が租税として計上されます。
公課は商工会や同業団体などの会費、交通違反金、各種証明書発行手数料、行政サービスの手数料などが当てはまります。
雑費
上記項目に分類しきれない消耗品費などの細かい費用です。弊社の統計では工事費の約0.4%程度が雑費となっています。
諸経費 まとめ
見積書に記載される諸経費は、各会社が自由に決めているのが実情です。ただし多くの企業では、過去の実績から工事費の一定パーセンテージを諸経費として計算しています。
業種・顧客別の諸経費の違い
諸経費の比率は業種や対象顧客によって大きく異なります。物販業、サービス業、建築業、運送業などの業種ごとに異なるほか、顧客の規模や特性によっても変動します。
諸経費の相場と健全経営の目安
一般的に多くの会社では工事費の10%~30%が諸経費の金額となります。この10~30%のパーセンテージ内が健全経営の会社の目安と言えます。
不明な点は確認を
見積書の諸経費内訳が気になったら、遠慮なく担当者に質問することをお勧めします。透明性のある見積もりは、信頼できる会社との取引につながります。
工事を行う側の実務経験から、ご参考になれば幸いです。



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