追加工事で税込500万円を超えたらどうなる?建設業許可がない場合の正しい対応

この記事は約11分で読めます。
記事内に広告が含まれていますThis article contains advertisements.

追加工事で税込500万円を超えたらどうなる?建設業許可がない場合の正しい対応

追加工事で税込500万円を超えたらどうなる?建設業許可がない場合の正しい対応

建設工事の契約時には税込500万円未満だったものの、工事を進める途中で追加工事が発生し、最終的な請負金額が税込500万円以上になることがあります。

例えば、当初の契約金額が税込450万円で、施工中に税込80万円の追加工事が必要になった場合、工事全体の請負金額は税込530万円になります。

このような場合、「最初の契約が500万円未満だったから、建設業許可がなくても問題ない」と考えるのは危険です。

建築一式工事以外の専門工事では、原則として、追加工事を含めた一件の工事の総額が税込500万円以上になると、該当する業種の建設業許可が必要になります。

重要な結論

当初契約が税込500万円未満でも、同じ工事の追加工事を含めた総額が税込500万円以上になる場合は、原則として軽微な建設工事の範囲を超えます。

建設業許可を持たない業者は、追加工事をそのまま受注して施工を続けるのではなく、追加工事へ着手する前に対応を検討する必要があります。

  1. 建設業許可が不要なのは税込500万円未満
  2. 追加工事は当初契約と合算して判断する
    1. 追加工事によって500万円を超える例
  3. 当初契約が適法でも追加契約は別に確認が必要
  4. 建設業許可がないまま施工を続けるとどうなる?
  5. 追加工事へ着手する前に変更契約を結ぶ
  6. 建設業許可を持っていない場合の対応
    1. 1.追加工事へ着手せず、工事内容を確認する
    2. 2.許可を持つ業者へ追加工事を直接発注してもらう
    3. 3.追加工事を契約範囲から除外する
    4. 4.必要な建設業許可を取得してから契約する
    5. 5.許可行政庁へ事前相談する
  7. 追加工事を別契約にすれば500万円未満にできる?
    1. 合算される可能性が高いケース
    2. 別工事として検討される余地があるケース
  8. 追加工事の材料費や支給材料にも注意
    1. 支給材料を含めると500万円を超える例
  9. 当初工事だけなら最後まで施工できるのか
  10. すでに追加工事へ着手してしまった場合
  11. 追加工事が発生しやすい工事の注意点
  12. 契約前に決めておきたい追加工事のルール
  13. よくある質問
    1. Q.契約時に500万円未満なら、追加工事で500万円を超えても問題ありませんか?
    2. Q.追加工事だけが500万円未満なら許可は不要ですか?
    3. Q.追加工事を別の注文書にすれば大丈夫ですか?
    4. Q.追加工事を口頭で依頼された場合は施工できますか?
    5. Q.建設業許可を申請すれば、すぐに追加工事を施工できますか?
    6. Q.建設業許可を後から取得すれば問題は解決しますか?
    7. Q.当初契約の工事だけを完成させることはできますか?
    8. Q.発注者が追加工事を直接別業者へ発注すれば問題ありませんか?
    9. Q.建築一式工事も500万円が基準ですか?
  14. 追加工事が発生したときの確認手順
  15. まとめ

建設業許可が不要なのは税込500万円未満

建築一式工事以外の工事について、建設業許可が不要となる軽微な建設工事は、原則として一件の請負代金が税込500万円未満の工事です。

  • 税込499万9,999円:500万円未満
  • 税込500万円ちょうど:500万円未満ではない
  • 税込500万円を超える:500万円未満ではない

したがって、追加工事を含めた総額が税込500万円ちょうどになった場合も、原則として建設業許可が必要です。

「500万円以下なら許可不要」ではなく、正しくは500万円未満なら軽微な建設工事に該当する可能性があるという基準です。

追加工事は当初契約と合算して判断する

追加工事が当初の工事と同じ現場で行われ、当初工事を完成させるために必要な工事である場合は、通常、当初契約と追加契約を合わせた一件の工事として判断されます。

追加工事によって500万円を超える例

契約内容 税込金額
当初の工事請負契約 450万円
施工中に発生した追加工事 80万円
工事全体の合計額 530万円

この場合、追加工事だけを80万円の別工事として扱い、当初契約の450万円と切り離して判断できるとは限りません。

同じ発注者、同じ工事場所、同じ施工期間であり、工事内容も関連している場合は、合計530万円の一件の工事として判断される可能性が高くなります。

建築一式工事以外の専門工事であれば、総額が税込500万円以上になるため、原則として該当業種の建設業許可が必要です。

当初契約が適法でも追加契約は別に確認が必要

当初契約が税込500万円未満であれば、契約時点では軽微な建設工事として適法に受注できていた可能性があります。

しかし、追加工事が決まった時点で工事全体の金額が税込500万円以上になる場合は、その後の追加変更契約や施工について、改めて建設業許可の必要性を確認しなければなりません。

当初の契約が適法だったからといって、追加工事を無制限に受注できるわけではありません。

判断するタイミング

追加工事の見積りを作成し、工事全体が税込500万円以上になることが分かった段階で確認します。

追加工事を施工した後ではなく、追加工事の契約や着工前に対応を決めることが重要です。

建設業許可がないまま施工を続けるとどうなる?

建設業許可が必要な金額の工事を、許可を持たない業者が請け負うと、無許可営業として建設業法違反を問われる可能性があります。

問題になるのは、追加工事の金額だけではありません。

当初工事と追加工事が実質的に一件の工事であれば、合計金額を基準として許可の必要性が判断されます。

そのため、次のような対応は避ける必要があります。

  • 追加工事を口頭だけで依頼して施工する
  • 工事完了後に追加金額をまとめて請求する
  • 追加分だけを別の請求書にして500万円未満に見せる
  • 同じ工事を複数の注文書に分割する
  • 許可申請中であることを理由に工事を続ける
  • 追加分を値引きしたように見せ、別名目で請求する

契約書や請求書を分けただけでは、別々の工事として認められるとは限りません。

契約形式ではなく、工事場所、工事内容、施工時期、発注者、追加工事が発生した経緯などを含めた実態で判断されます。

追加工事へ着手する前に変更契約を結ぶ

追加工事が発生した場合は、原則として追加工事へ着手する前に、発注者と受注者の間で書面による変更契約を締結します。

変更契約書や追加工事注文書には、少なくとも次の内容を明確にしておきましょう。

  • 追加する工事の具体的な内容
  • 追加工事の請負代金
  • 消費税を含めた変更後の契約総額
  • 追加工事に使用する材料や機器
  • 注文者から支給される材料の有無
  • 工期の変更内容
  • 代金の支払時期と支払方法
  • 追加工事による責任範囲の変更

現場では、発注者から「先に工事を進めてほしい」「金額は後で決める」と依頼されることがあります。

しかし、金額や工事範囲を決めないまま施工すると、建設業許可の問題だけでなく、追加代金の未払いなどのトラブルにもつながります。

建設業許可を持っていない場合の対応

追加工事を含めた総額が税込500万円以上になることが分かった場合、建設業許可を持っていない業者は、そのまま追加工事を受注して施工するのではなく、次の対応を検討します。

1.追加工事へ着手せず、工事内容を確認する

まずは追加工事を開始せず、当初工事と追加工事の内容、金額、必要な許可業種を確認します。

追加工事を先に施工してから確認するのでは遅いため、発注者にも状況を説明し、契約手続きを一時的に止めることが重要です。

2.許可を持つ業者へ追加工事を直接発注してもらう

追加工事について、発注者から必要な建設業許可を持つ別の業者へ直接発注してもらう方法があります。

ただし、書類上だけ発注先を変更し、実際には無許可業者が工事を請け負って施工するような形は認められません。

契約関係、施工責任、代金の支払い、現場での指揮命令などを明確に分ける必要があります。

3.追加工事を契約範囲から除外する

発注者との協議により、追加工事を現在の請負契約から除外し、当初契約の範囲だけを施工する方法も考えられます。

ただし、当初契約の範囲と追加工事の範囲を明確に区分できることが前提です。

実際には一体の工事であるにもかかわらず、500万円未満にする目的だけで形式的に除外または分割することは避けなければなりません。

4.必要な建設業許可を取得してから契約する

今後も税込500万円以上の工事を受注する予定がある場合は、該当する業種の建設業許可を取得する方法があります。

ただし、建設業許可は申請した時点で有効になるものではありません。

許可が下りる前に、許可が必要な追加工事を請け負ったり施工したりすることは避ける必要があります。

また、取得した許可は過去にさかのぼって有効になるものではありません。

5.許可行政庁へ事前相談する

追加工事が当初工事と一体なのか、別の工事として扱えるのか、どの許可業種が必要なのかは、工事内容によって判断が異なります。

判断が難しい場合は、営業所所在地を管轄する都道府県の建設業許可担当窓口や地方整備局、建設業許可に詳しい行政書士などへ相談しましょう。

追加工事を別契約にすれば500万円未満にできる?

追加工事について別の注文書や契約書を作成しても、当然に別工事として扱われるわけではありません。

同じ工事を正当な理由なく分割した場合は、それぞれの契約金額を合計して判断するのが原則です。

合算される可能性が高いケース

  • 発注者が同じ
  • 工事場所が同じ
  • 施工時期が連続している
  • 追加工事が当初工事の完成に必要である
  • 当初から追加工事の発生が予想できた
  • 一つの工事を完成させるための作業である
  • 500万円未満にする目的で契約を分けている

別工事として検討される余地があるケース

  • 工事の目的が明確に異なる
  • 施工場所が異なる
  • 施工時期が大きく離れている
  • 当初工事とは独立して完成する工事である
  • 別契約とする合理的かつ正当な理由がある

ただし、別工事に該当するかどうかは、契約書の名称だけで決まるものではありません。

最終的には個別の施工実態に基づいて判断されるため、自己判断だけで進めないことが大切です。

追加工事の材料費や支給材料にも注意

500万円基準を確認するときは、施工費だけでなく材料費も確認する必要があります。

注文者が材料や機器を支給する場合は、その市場価格や運送費を請負代金に加えて判断することがあります。

支給材料を含めると500万円を超える例

内容 税込金額
当初の請負金額 430万円
追加工事 40万円
注文者からの支給材料 50万円
判定対象となる合計額 520万円

請負契約書に記載された金額だけを見ると470万円ですが、支給材料を加えると520万円になります。

この場合も、建築一式工事以外であれば、原則として建設業許可が必要です。

当初工事だけなら最後まで施工できるのか

当初契約が適法な税込500万円未満の工事であり、追加工事を契約せず、当初契約の範囲だけを施工するのであれば、当初工事を続けられる可能性があります。

ただし、追加工事を行わなければ当初契約の工事を完成できない場合や、すでに追加工事を含めた変更契約が成立している場合は、単純に当初工事だけを切り離せるとは限りません。

また、追加工事の必要性を認識した後も、書面を作らず実際に追加部分を施工していれば、工事全体の請負実態から判断される可能性があります。

そのため、当初工事を継続できるかどうかも含め、追加工事へ着手する前に許可行政庁などへ確認することをおすすめします。

すでに追加工事へ着手してしまった場合

建設業許可を持たないまま、税込500万円以上となる追加工事へ着手してしまった場合は、そのまま工事を進めたり、契約を形式的に分割したりせず、早急に状況を整理する必要があります。

  1. 追加工事の施工を一度止める
  2. 当初契約書、見積書、注文書、追加指示書を整理する
  3. 当初工事と追加工事の税込総額を計算する
  4. 支給材料や機器の市場価格を確認する
  5. 必要な建設業許可の業種を確認する
  6. 発注者へ事情を説明する
  7. 許可行政庁や専門家へ速やかに相談する

許可が必要かどうかは、工事の名称ではなく、契約と施工の実態によって判断されます。

事実と異なる契約書を後から作ったり、請求金額を不自然に分けたりすることは、問題をさらに大きくする可能性があります。

追加工事が発生しやすい工事の注意点

次のような工事では、解体後や施工開始後に追加工事が発生しやすいため、契約前から注意が必要です。

  • 店舗や事務所の改修工事
  • 内装解体を伴う改修工事
  • 給排水設備工事
  • 空調設備工事
  • 電気設備の更新工事
  • 防水工事や外壁補修工事
  • 床下や天井裏の調査を伴う工事
  • 既存設備の状態が不明な工事

契約時点で税込500万円に近い場合は、追加工事が少し発生しただけでも許可が必要な金額に達します。

無許可業者が税込480万円や490万円で契約する場合は、追加工事が発生する可能性を特に慎重に検討しなければなりません。

契約前に決めておきたい追加工事のルール

追加工事によるトラブルを防ぐため、当初契約書に追加工事の手続きについて定めておくことが有効です。

  • 追加工事は必ず事前に書面で承認する
  • 追加工事の見積書を提出する
  • 変更後の税込総額を明記する
  • 追加工事の着工条件を決める
  • 工期変更の有無を確認する
  • 500万円基準を超える場合の対応を決める
  • 許可が必要な工事は許可業者へ発注する

「現場で頼まれたから施工した」「担当者から口頭で了承を得た」という状態は避けましょう。

追加工事の内容と金額について発注者と受注者が合意し、書面を交わしてから着工することが重要です。

よくある質問

Q.契約時に500万円未満なら、追加工事で500万円を超えても問題ありませんか?

A.問題になる可能性があります。

同じ工事の追加工事であれば、当初契約額と追加工事額を合算して判断するのが原則です。

合計が税込500万円以上になる場合、建築一式工事以外では原則として該当業種の建設業許可が必要です。

Q.追加工事だけが500万円未満なら許可は不要ですか?

A.追加工事の金額だけでは判断できません。

追加工事が当初工事と一体であれば、当初契約と追加工事の合計額で判断します。

Q.追加工事を別の注文書にすれば大丈夫ですか?

A.注文書を分けただけでは別工事になりません。

同じ工事を正当な理由なく分割した場合は、複数の契約金額を合算して判断されます。

Q.追加工事を口頭で依頼された場合は施工できますか?

A.先に書面で契約内容を変更することが基本です。

追加工事の内容、金額、工期などを明確にし、変更契約書や追加注文書を交わしてから施工しましょう。

Q.建設業許可を申請すれば、すぐに追加工事を施工できますか?

A.許可申請中だけでは施工できるとは限りません。

申請しただけでは建設業許可を取得したことになりません。

許可が必要な工事は、原則として許可取得後に契約・施工する必要があります。

Q.建設業許可を後から取得すれば問題は解決しますか?

A.許可は過去にさかのぼって有効にはなりません。

後から許可を取得しても、許可取得前に行った無許可営業が自動的に適法になるわけではありません。

Q.当初契約の工事だけを完成させることはできますか?

A.追加工事と明確に分けられる場合は、可能性があります。

ただし、追加工事が当初工事の完成に不可欠な場合や、すでに追加部分へ着手している場合は判断が難しくなります。

自己判断せず、許可行政庁や専門家へ相談してください。

Q.発注者が追加工事を直接別業者へ発注すれば問題ありませんか?

A.実際に契約と施工が分離されていれば、対応方法の一つになります。

ただし、名義だけ別業者にして、無許可業者が実質的に追加工事を請け負うことは避けなければなりません。

Q.建築一式工事も500万円が基準ですか?

A.建築一式工事には別の基準があります。

建築一式工事では、原則として請負代金が税込1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事が軽微な建設工事に該当します。

ただし、店舗改修や内装工事を「建築一式」と記載しただけで建築一式工事になるわけではありません。

実際の工事内容が電気工事、管工事、内装仕上工事などの専門工事であれば、500万円基準で判断される可能性があります。

追加工事が発生したときの確認手順

  1. 追加工事の内容を明確にする
  2. 追加工事の税込金額を算出する
  3. 当初契約額との合計を確認する
  4. 支給材料の価格を加算する
  5. 工事が建築一式工事か専門工事か確認する
  6. 必要な建設業許可業種を確認する
  7. 許可がない場合は追加工事へ着手しない
  8. 発注者と対応方法を協議する
  9. 変更内容を書面で契約する
  10. 判断が難しければ許可行政庁へ相談する

まとめ

契約時の請負金額が税込500万円未満だったとしても、追加工事を含めた一件の工事の総額が税込500万円以上になる場合は、原則として軽微な建設工事の範囲を超えます。

建築一式工事以外の専門工事では、該当する業種の建設業許可が必要になります。

重要なのは、当初契約の金額だけではなく、追加工事、消費税、支給材料などを含めた工事全体の金額で判断することです。

追加工事が発生した場合は、すぐに施工するのではなく、追加工事へ着手する前に次の点を確認しましょう。

  • 追加後の税込総額はいくらになるか
  • 当初工事と追加工事は一体の工事か
  • 必要な建設業許可を取得しているか
  • 追加工事の内容と金額を書面化しているか

建設業許可がない状態で総額が500万円以上になる場合は、そのまま追加工事を進めず、許可を持つ業者への直接発注、追加工事の除外、許可取得後の契約などを検討する必要があります。

個別の工事によって判断が異なるため、契約や施工を進める前に、都道府県の建設業許可担当窓口、地方整備局または建設業許可に詳しい専門家へ確認してください。

※本記事は建設業許可制度に関する一般的な情報を掲載したものです。個別工事の許可要否は、契約内容、工事の種類、施工実態、追加工事の発生経緯、材料の支給方法などによって異なります。

コメント