
5kWは何アンペア?工場設備、業務用エアコン、ポンプ、コンプレッサーなどの動力機器を扱うときに迷いやすいのが、三相200Vでの電流計算です。
「5kWなら何Aになるのか」「三相200Vのアンペアはどう計算するのか」と調べる人は多いですが、三相200Vでは単純にkW÷200Vでは計算できません。
三相交流では√3と力率を考える必要があります。この記事では、三相200Vのアンペア計算式から具体的な計算例、1kW~10kWの早見表まで、実務で確認しやすい形で解説します。
三相200Vのアンペア計算式
三相200Vで、有効電力kWから電流Aを求める基本式は次の通りです。
電流A=kW×1000÷(√3×200V×力率)
√3は約1.732として計算します。
式に使う数値の意味
- kW×1000:kWをWに換算する
- √3(約1.732):三相交流の計算に使う係数
- 200V:ここでは三相200Vの線間電圧
- 力率:皮相電力に対して、有効電力がどの程度あるかを示す割合
力率は機器によって異なります。計算例として0.8を使うことはできますが、実際の機器の電流を確認するときは、銘板やメーカー仕様書に記載された値を確認してください。
5kWを三相200Vで使う場合の計算例
5kWを電気入力としての有効電力とし、三相200V・力率0.8として計算してみます。
計算式と結果
5×1000÷(1.732×200×0.8)≒18.04A
したがって、この条件で計算した電流は約18Aとなります。
※重要:ここでの5kWは、電気入力としての有効電力5kWを前提にしています。
モーターの銘板に表示されているkWは、モーターの定格出力を示している場合があります。その場合はモーター効率も関係するため、「5kWだから約18A」と単純に判断することはできません。
実際のモーターや動力機器では、銘板やメーカー仕様書に記載されている定格電流を優先して確認してください。
ブレーカー容量は18Aでよいとは限らない
計算上の電流が約18Aだからといって、その数値だけを見てブレーカー容量を決めることはできません。
実際の選定では、次のような条件を確認する必要があります。
- 機器の定格電流:まず銘板やメーカー仕様書を確認する
- 始動電流:モーターは始動時に大きな電流が流れる場合がある
- 電線サイズ:使用する電線の許容電流との整合を確認する
- 遮断器の動作特性:始動時などに不要動作しないことを確認する
- 施工条件:配線長、周囲温度、電圧降下なども考慮する
ブレーカーや電線サイズを実際に選定する場合は、機器メーカーの仕様や電気設備の設計条件を確認し、必要に応じて電気工事士などの専門家に確認してください。
kVA表示の場合は力率を入れずに計算する
機器の容量がkWではなくkVAで表示されている場合は、計算方法が異なります。
kVAは皮相電力なので、三相200Vの場合は次の式で電流を求めます。
電流A=kVA×1000÷(√3×200V)
3kVAの場合
3×1000÷(1.732×200)≒8.66A
したがって、三相200V・3kVAの場合は約8.7Aとなります。
kWとkVAは同じものではありません。アンペアを計算するときは、機器に表示されている容量がkWなのかkVAなのかを最初に確認しましょう。
三相200Vアンペア計算の早見表
三相200V・力率0.8として計算した、1kW~10kWまでのアンペア数の目安です。
| 有効電力 | 三相200V 力率0.8 |
|---|---|
| 1kW | 約3.61A |
| 2kW | 約7.22A |
| 3kW | 約10.83A |
| 4kW | 約14.43A |
| 5kW | 約18.04A |
| 6kW | 約21.65A |
| 7kW | 約25.26A |
| 8kW | 約28.87A |
| 9kW | 約32.48A |
| 10kW | 約36.08A |
※上記は、有効電力kWを基準に三相200V・力率0.8として計算した概算値です。モーターの定格出力kWから実際の電流を判断する場合は、この表だけで判断せず、銘板やメーカー仕様書に記載された定格電流を優先してください。
ブレーカー容量は計算値だけで決めない
三相200Vのアンペア計算で負荷電流の目安を求めることはできますが、ブレーカー容量や電線サイズを計算値だけで決めることはできません。
特にモーターなどの動力機器では、運転時の定格電流だけでなく、始動電流や遮断器の動作特性なども関係します。
また、電線サイズについても、許容電流だけではなく、配線長、周囲温度、施工方法、電圧降下などを確認する必要があります。
この記事の計算結果は、三相200Vの電流を理解するための目安として利用し、実際の設備設計・施工ではメーカー仕様や関連する電気設備の技術基準などを確認してください。
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まとめ|三相200Vのアンペア計算はkW・kVA・力率を確認する
三相200Vで有効電力kWからアンペアを求める基本式は、次の通りです。
電流A=kW×1000÷(√3×200V×力率)
一方、kVAから求める場合は力率を式に入れず、次のように計算します。
電流A=kVA×1000÷(√3×200V)
三相200Vのアンペア計算では、式だけを覚えるのではなく、「kWかkVAか」「力率はいくつか」「モーターのkWが入力なのか定格出力なのか」を区別することが重要です。
また、計算で求めたアンペア数とブレーカー容量は別問題です。実際の機器では、銘板・メーカー仕様書に記載された定格電流を優先し、施工条件を含めて判断してください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この記事が三相200Vの電流計算を確認するときの参考になれば幸いです。


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